投資家が気になるのは、ESGに熱心な企業の株価が果たして上がるのか、という点だろう。ESGの取り組みは短期的にはむしろコストになり、業績を圧迫することも考えられる。それでも、働きやすい企業には優秀な人材が集まりやすく、ガバナンスを強化すれば株価の急落を招くような不祥事が起きにくくなる。短期的に株価を引き上げる材料にはならなくても、長期的には企業価値の向上につながり、株価を下支えする一定の効果は期待できるのではないだろうか。
中長期で保有する銘柄を選定する際は、ESGに対する姿勢もチェックしておく価値はありそうだ。企業の取り組みはウェブサイトやコーポレートガバナンス報告書でも公開されている。
文■森田悦子(ファイナンシャルプランナー/ライター)