「EV充電器」以外の商品で凌いだ
創業したのは退社から2か月後の5月。とはいえ、まだ確たる商品のない“見切り発車”の会社設立だった。
「学生時代の仲間と3人で創業しました。とりあえず『EVがもっと流行るだろう』くらいの手探り状態で始まりました。会社員の頃から業務とは別に自分のアイデアを温めてはいましたが、そう簡単に形にできるものではない。とりあえずは売り上げを作らないと会社としてやっていけないので、スマホを鍵代わりにする車の『スマートロック』などEVとは関係ないアプリやハードウェアの受託開発などをしていました。
弊社がやっと小さくて安い充電器『Ella(エラ)』の完成にこぎつけたのは2018年のことでした。ですがその当時、まだEVは今ほど注目されていなかったので、ロボットが人間より上手にドリップするコーヒーショップなどを運営して凌いでいた。このコーヒーショップはTwitter創業者のジャック・ドーシーさんも来店してくれて、『米国のTwitter社にも導入できないか』と相談を受けました(笑)」
だが、時代の流れとともにこの「Ella」がジゴワッツの存在を世間に知らしめることとなる。
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