待遇が不公平だとSNSに投稿すれば、非正規労働者の待遇改善や不合理な差別扱いの禁止などが求められている昨今、投稿内容によっては会社の名誉を毀損し、労務政策を非難する“炎上”が起こりかねないケースもあります。
ネットの世界で不名誉情報が一旦拡散されると、回復は非常に困難です。企業秘密でないとしても、懲戒処分を受ける可能性はあります。投稿の内容に自信があっても、労働条件における差別の不合理性の判断が難しい場合もありますので、会社に申し出たり、労働基準監督署などに相談して解決を図るのが穏当でした。いきなりのSNS投稿は危険でしかなく、解除につながるのはありえることです。
なお、実質的な雇用関係であった場合、会社には解雇予告手当の支払い義務が生じています。監督署に相談するのがよいでしょう。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2024年10月11日号