「流行りを抑えただけの個性がないお店も」
さまざまなとんかつの魅力について、外食事情に詳しいフリーライターの小浦大生氏はこう話す。
「ソースで食べる王道とんかつは、“街のとんかつ店”なら1000円ほどの価格帯で、そのリーズナブルさは大きなポイントです。一方の“高級なとんかつ”では、素材にこだわればこだわるほど当然価格も高くなりますが、そこでしか味わえない魅力も大きい。また、そういった“高級なとんかつ”の場合、そこでの体験そのものが魅力でもあり、お店がおすすめする調味料で楽しむというのも醍醐味でしょう。
トレンドである“白いとんかつ”のお店については、人気の名店もあれば、まだまだこれからな新規店もあるという印象ですね。低温調理で肉がピンク色になっていて、塩やわさび醤油でいただく、というのが新しい定番化していますが、そうした流行を抑えだけの個性がないお店があるのも事実です」
日本食の定番であるとんかつも、時代とともに多様化し、調味料のバリエーションも増えているということ。さまざまな味わいを試すことで、“定番”のなかにも新しい発見がありそうだ。(了)