42社の契約を一括照会
生命保険でも「故人の契約内容が分からない」といったケースが頻発する。生命保険は受取人が請求しないと保険金が支払われないので、契約内容の把握は死活問題となるが、ここでも便利な仕組みがある。
一般社団法人・生命保険協会が運用する生命保険契約照会制度だ。東京国際司法書士事務所代表でこれまで相続や借金に関して1万人以上の相談を受けてきた司法書士の鈴木敏弘氏が解説する。
「法定相続人と遺言執行者などの一部代理人に限り、故人の保険契約内容を照会できます。申請者の本人確認書類や戸籍謄本などを生命保険協会に提出すると、協会に加盟する42社の契約を一括で照会できます」
不動産の調査はどうか。
認定ファイナンシャルプランナー(CFP)や終活カウンセラー、シニアライフコンサルタントの資格を持ち、全国的にも珍しい相続専門の行政書士として活動する中田多惠子氏が語る。
「遠隔地にある不動産の情報を集められるのが名寄帳です。名寄帳は自治体が作成する固定資産課税台帳を所有者ごとにまとめたもの。私道や山林など固定資産税の通知書に出てこない不動産も確認できます。閲覧、取得にはその不動産がある市区町村役場に赴くか郵送での取り寄せをしますが、被相続人も把握していないような不動産まで確認できるので便利です」