葬儀に際に次に集まる日時だけでも決める
一方、なるべくこの時期に進めたいのが告別式家族会議だ。
当然ながら告別式には親族一同が集まり、その場で遺産の話をするのは気が引けると考える人も少なくないだろうが、「相続をスムーズに進める大きなチャンス」だと前出・佐藤信顕氏は言う。
「相続の話し合いは四十九日が過ぎてからと考える人が多いですが、遠方に親族が散らばっているケースだと全員が集まる機会を作るのが難しい。連絡を取り合うのも一苦労です。
その点、葬儀は否応なく親族が集まります。この場を逃すのはもったいない。告別式の後、どこか一室に集まって家族会議ができればよいですが、悲しみのどん底で話し合う余裕までは……というケースもあるでしょう。その場合はせめて次に集まる日時だけでも決めるべき。これをやっておくと、家族会議が一気に楽になります」
後日集まる際は、財産目録や法定相続などの書類や資料を揃えておくと一層スムーズに話し合いは進むはずだ。
相続専門の税理士で社会保険労務士の佐藤正明氏もこう話す。
「経験上、相続で揉める家族はどのタイミングで話し合っても揉めます。逆に、スムーズに進む家族はズルズル延ばさず早めに話し合っているケースが多い。親族が集う機会は少ないので、集まれる時に会議をしておくのがよいでしょう」
※週刊ポスト2024年10月18・25日号