2001年の9.11が作った為替相場の大トレンド
話は前後しますが、2001年の9.11から半年近く経った2002年の2月頃から、投資家が動き始めました。ここでいう投資家とは、政府系ファンド、年金の運用機関であるペンションファンド、生保など機関投資家、そして中央銀行などを指します。
彼らは、公的あるいは準公的のお堅い人達ですので、当面の投資方針を決定するのに、相当な時間を要します。
この場合であれば、事件が前年9月に発生し、動き出したのが2月ですから半年近く検討した後、ドルから資金逃避するということで、動き出したわけです。
彼らの動かす額はかなり大きいため、世界第1位の取引量を誇る通貨「米ドル」から資金を移そうと考えたとき、受け皿になれるのは世界第2位の取引量をもつ通貨「ユーロ」ぐらいしかありません。
そして、いったん彼らの資金が「米ドル⇒ユーロ」へと動きだすと、怒涛の勢いで、米ドルからユーロへ一方向のフロー(資金の流れ)が発生しました。この流れ(ユーロ/ドルの買い)は6年間続き、ユーロ/ドルはその間に約7500ポイントの上昇を見ることに。
大統領の自らを誇示しようとしたがために、大惨事にはなるし、またドルからの資金逃避が大々的に起きたわけです。
そして、今回アメリカファースト(アメリカ第一主義)を唱えているトランプ大統領も、下手をすると、同じような事態に遭遇する可能性は否定できません。
そこで、今回も注意しておかなければならないのは、投資家の動向です。