それまでは、延々とレンジ相場が続くと考えるほうが現実的なように思われます。しかも、9月は海外勢にとって、大きな意味があります。9月は、実質的な下期のスタートです。
6月に中間決算を終え、7月、8月は夏休み、そして9月第1週の月曜日のレーバーデー(労働者の日)を過ぎると、アメリカでは学校の新学期となり、ファンド・マネージャーもまた下期をスタートさせます。
もしトランプ大統領によってトレンド相場が起きるとすれば、この9月からが開始時期だと思われます。それまでのおそらく本格的なトレンド相場にはならない、つまりレンジ相場のような状況下では、対策を考えておく必要があります。
投機筋が作る偽のトレンド相場に注意
レンジ相場の主な構成員は「投機筋」です。従って、相場観や考え方が一律になりやすく、ポジションが一方に簡単に偏ってしまいがちです。一方にポジションが偏ったら、早く抜け出さないと、相場の反動に巻き込まれて、やられます。
つまり、かなり抜け目なくやらないと、持ち出しばかりになってしまいます。
米雇用統計の発表などでも、見受けられるのですが、発表された結果に対して直感的に「良い悪い」で「買い上げたり」「売り下げて」相場が動いたところで、発表された金曜日はその影響を受けた状態ですが、翌週の月曜か火曜には、手仕舞いが出て反転してしまうものです。
やっているのが投機筋ばかりの相場ですと、このようなことは日常茶飯事。これも投資家という存在が、マーケットにいないがために起きるわけです。レンジ相場とは、投機筋同士の足の引っ張り合いの相場なのです。
ですから、すべてに真面目に付き合っても、体力が消耗するだけです。ご自分のフィーリングが湧いた時だけに限って、「相場に出る」ぐらいでちょうど良いと思います。私も、レンジ相場では苦い思いをしました。そして、徹底研究した結果が、以上お話ししてきたようなことになります。
今年の相場は投資家筋が作るような“トレンドの源流”を把握するまで、絶対に熱くならないこと、飄々とやることです(2017年1月31日執筆)。
※マネーポスト2017年春号