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続々と消滅する「街の書店」に惜別の声が上がる中、生き残った店に歯がゆさを感じる人も 「思いも寄らない本を見つけるのが醍醐味なのに…」

住吉書房駒沢店の閉店を告知する看板

住吉書房駒沢店の閉店を告知する看板

書店に寄ることは「時間つぶしであり、学びでもある」

 小規模な書店の場合、品揃えの少なさを指摘する声も聞こえてくる。神奈川県に住む自営業のBさん(50代男性)は、最近の書店に“物足りなさ”を感じていることがあるという。

「近所の書店を見ていると、ここ数年は売れ筋の本ばかり置いているような気がします。もちろん、本が売れなくなっている時代なので、より売れるものが中心になるのはわかるんですが、ほしい本が買えないこともしょっちゅう。たとえば僕はよく行く書店で、毎月買っていたとある音楽雑誌の入荷がなくなったので、仕方なく都内の大きな書店で買うようになっています」

 昨今はバイヤーの個性を色濃く反映した品揃えのコンセプチュアルな小規模書店も増えているが、そういった書店が小さな駅前にある“街の書店”として定着するケースはまれだ。

「街の書店の楽しみって、特に目的がなく入って立ち読みしたり棚を眺めたりしているだけで、毎回何か発見があり、そして思いも寄らない本を買って帰ることなんですよね。時間つぶしであり、学びでもある。この文化はなくなってほしくないのですね」(Bさん)

 人々の心を豊かにしてくれる街の書店。再び身近な存在になることを待ち望んでいる人は多い。(了)

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