株式投資をする際の投資先のヒントは、「街角ウォッチから見つけられる」というのは、資産7億円を築いた専業投資家「www9945」。同氏は、時代と共に移ろいゆく街並みから、後退するセクター、新たに勢いを持ち始めたセクターを見分け、それを投資先選びに活用しているという。そんな同氏にとって、特に印象に残ったのが、新型コロナウイルスの流行前後での街角の風景の変化だ。東京・池袋の街並みを歩いてわかった、新たな投資トレンドとは? 同氏の著書『年収300万円、掃除夫だった僕が7億円貯めた方法』(宝島社)より紹介する。
中間層向けのお店が池袋から消えた!
新型コロナウイルスは日本屈指の繁華街を日々、侵食していった。
私は変わらず街角ウォッチを続けていたが1軒、また1軒と店がたたまれていく様子に胸が痛んだ。
普段ならば「空いた店舗を次に埋めるのはどんな業態か」は重大なヒントになる。コロナ禍ではテナントが埋まらず空いたままの店舗も多かったのだが、埋まった店舗には気になる変化があった。
ひとつは業態ががらっと変わり、テイクアウトや立ち食いなど、安価な飲食店への交代だ。駅前のコンビニエンスストアは「おいしい! 早い! 新しい!」をうたう餃子の王将の新店舗となり、雑貨店だった場所には立ち飲みバーが入った。
それまで多かった中間層を狙ったようなお店が激減したのも印象的だった。
とんかつの「松のや」は高級ジュエリー店へ、吉野家は漢方薬局へ、定食の松屋は高級ブランドの買い取りに特化したリサイクルショップの「ブランディア」へ、チョコクロがウリの「サンマルクカフェ」は1時間5500円の整骨院へ、格安焼き鳥屋は楽器店へと変わった。
後に入ったのは利益率の高そうなお店ばかりだ。調べてみると、7店舗のうち5店舗がより利益率の高い業態へと変わっていた。
「多くのお客さんに・薄い利幅で」の商売から、「少ないお客さんに・厚い利幅で」の商売への変化だ。
コロナ禍で街をそぞろ歩く人が減ったことで、「どうしてもそこへ行きたい」という人を相手にした業態でないと成り立たなくなったのだろう。そんな変化に気づいてはいたものの、投資のヒントになるかというと、まだ私にはピンときていなかった。