医療関係者の反対運動も活発だ。全国の6割以上の開業医が加盟する全国保険医団体連合会をはじめ各地の保険医協会などが「紙の保険証存続」を訴え、街頭でも呼びかけている。
開業医の1人がこう語る。
「患者さんが12月から一斉にマイナ保険証を利用するようになれば、必ずトラブルが増える。顔認証付きカードリーダーが保険証読み取りミスを起こせば、業務が中断してしまう。さらに、システムの導入や維持にかかる負担は大きい。補助金では全然足りない。小さな医院や歯科クリニックのなかにはマイナ保険証への切り換えを機に廃業するところも増えている」
国民は利用したがらず、医療機関にも負担が大きい。それでも政府が紙の保険証廃止、マイナ保険証への切り換えを強引に進めるのはなぜなのか。背後に巨大なマイナ保険証利権があるからだ。続く記事でその利権構造を詳報しよう。
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※週刊ポスト2024年11月29日号