さらには「この天丼マズいですね」とか言わず「おいしいですねぇ!」とその店を選んだであろう「おごり主」の顔を立てる発言をする。もしも本当におごってもらえた場合は店の外で深々とお辞儀をし、「ごちそうさまでした! いやぁ、おいしかったです!」と言う。もしも夜の飲み会でおごってもらったのであれば、別れた後に「今日は本当にありがとうございました。ごちそうさまでした!」とLINEやメールを書く。
カネを払ってもらうのであれば、せめてカネを払う側が気持ちよくなるような配慮はすべきでしょう。それが正しい作法です。それができると「おごりがいがあるかわいいヤツ」認定され、ますますおごってもらえます。ただし、ある程度の収入が稼げるようになったら、それまでおごってもらっていた恩を返すべく、カネのない人におごる必要があります。
私は毎年1回、一人の若者からおごってもらっています。
「オレがいまでもこうして仕事を続けられているのは中川さんのおかげです。オレがおごれるってことはオレも金を稼いでいるってことです。その姿をお見せしたいので、おごらせてください」
彼はそう言ってくれるので、一人2500円ぐらいの居酒屋で毎年ありがたくごちそうになっております。