都心に生活基盤があると出費がかさむ
パワーカップルでも「質素に暮らしている」というのは、Aさん夫婦だけではない。都内で教育関係の職に就いている女性・Bさん(33歳)は、広告代理店で働いている夫(36歳)と合わせて世帯年収は1400万円程度になるが「生活に余裕はない」と明かす。
「仕事をしながら小学生と幼稚園の息子2人を育てています。共働きで他の家よりは経済的に余裕があるように見えるかもしれませんが、ゆとりはまったくないですね。夫も稼ぎはありますが、家事育児は基本的に私が隙間時間でやっていて、疲弊しています。お互いの両親が、それぞれ地方に住んでいるので、祖父母のサポートが得られないのもネック。もともと23区内に実家がある夫婦と比べると、きつい思いをする機会は多いですね。
正直、光熱費も上がっているし、物価高の影響も感じています。夫の会社に30分で行ける駅、駅徒歩5分以内の場所にマンションを賃貸で借りているので、2LDKでもかなり負担が大きいんですよ。家賃と食費を考えれば、夫婦で贅沢する余裕なんてまったくないですよ。車も持っておらず、必要な時はカーシェアを利用していますが、それでも一日中借りると高いですよね。
私も独身時代はフェイシャルエステや痩身エステ、美容室も月一で通うくらい美容が趣味でしたが、子どもができてからはそれどころじゃなくて、蓄財第一ですよ(笑)。贅沢なんてとんでもないです。
基本はドラッグストアでコスメやシャンプー類も揃えていますし、通っていたジムも節約のために解約しました。ただ、贅沢をしているわけではないですが、勤務先や子育てなど、都心での生活基盤ができてしまうと、普通に暮らしていても出費はかさみますね」(Bさん)
一見すると羨望の対象であるパワーカップル。しかし、東京23区内に暮らすパワーカップルは、決して派手で余裕がある生活をしている人たちばかりではない。将来のことも考えて倹約的な暮らしを心がけている夫婦は少なくないようだ。