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今なおくすぶり続ける氷河期世代の怨嗟と恨み節 当事者は「やり場のない思いをネットにぶつけてる」、一方で下の世代は「正直知らんがな」

今なおネット上には就職氷河期世代の怨嗟の書き込みが後を絶たない(イメージ)

今なおネット上には就職氷河期世代の怨嗟の書き込みが後を絶たない(イメージ)

 バブル崩壊後の雇用環境が厳しい1993年から2005年頃にかけて就職活動を行ない、なかなか思うような職に就けなかった「就職氷河期世代」。ロスジェネ(ロストジェネレーション)世代とも呼ばれ、何かと負のイメージも付きまとう。

 部分的には第二次ベビーブームとも重なるため、とにかくその世代の人数が多いことも特徴で、ネットの各種掲示板やSNSでは、「ただでさえ同学年の人数が多いのに採用人数が絞られた」「優秀でも正社員雇用として働けない人が多かった」「今さら救おうとしても遅い」など、当時の採用状況や給料に対する不満が繰り返し投稿される。

 彼らは現在40歳から54歳前後。若年層にとっては、「今さら昔話をされても……」という素朴な感想もあるようだ。氷河期世代当事者、ならびに下の世代にそれぞれ本音を聞いた。

氷河期世代「自分はまだマシだった」と書き込む人たち

 都内の製造業で働くTさん(40代・男性)は、大学卒業時はまさに就職氷河期の真っ只中。何社も面接を受け、ようやく正社員雇用の席を得た。「今は“自分のやりたい仕事をする”とか、“好きなことをして生きていく”のがいいとされる時代になって、就職面においては羨ましい」と言う。

「とにかくどこでもいいから社員として採用してもらうべく、沢山の企業を片っ端から受けました。2枠の内定に100人が応募するようなことも当たり前。私たちより上の世代がバブルの時代を楽しんでいるのをなんとなく知っているので、私たちの世代で急に梯子を外された感が強いです。内定も引く手あまただったといいますしね……。ただ、何を言ったところで時間は巻き戻らないので今を頑張るしかありません」(Tさん)

 Tさんは「僕はたまたま運がよかっただけ」と続ける。

「例えば早稲田や慶應のような立派な大学を出ても自分の意思とは関係なく、非正規で働く人を沢山見てきました。ネットでの書き込みも、“自分はまだマシだった”と書いている人をよく見かけますが、自分で自分を慰めている感じなのかもしれません」(Tさん)

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