*14:43JST 米国株式市場見通し:4日のパウエル発言で雇用統計前に動く可能性も
来週の米国株は、週末の11月雇用統計など重要な経済指標が目白押しのため、様子見ムードが強まりやすいが、VIX指数が13ポイント台と7月以来の低い水準で推移するなど良好な投資家心理を背景に、主要3指数は堅調推移となろう。
10月の非農業部門雇用者数は前月比1.2万人の増加にとどまったが、ハリケーンやストライキの影響が大きかったとしてネガティブ視されることはほぼなかった。こうしたことの反動もあり、11月の市場予想は同20万人の大幅な増加が見込まれている。失業率の予想は前月と同じ4.1%。雇用者数と失業率が市場予想通り、もしくは予想よりもやや悪化ぐらいの結果となれば、17-18日のFOMCでの0.25%利下げ観測を裏付けることになろう。一方、予想を上回る強い結果となった場合、12月利下げ観測が一気に後退し、主要3指数はそろって下落する可能性がある。楽観ムードは強いが、主要3指数が史上最高値圏で推移していることも影響して、週末まで見極めムードが強まりそうだ。
ただ、雇用統計発表前の4日に、パウエルFRB議長がNYタイムズ紙のディールブックサミットに参加するため、雇用統計前に米国株が買われる可能性はある。「雇用統計や消費者物価指数などのデータを見極める」といった表現に留まる公算は大きいが、12月会合における利下げ実施、もしくは来年以降の利下げ見通しを示唆すれば、市場は「長期金利低下、株買い」の反応を示すだろう。投資家心理など市場環境が良好なことから、雇用統計発表を待たずして、パウエル氏の発言をきっかけに大きく動くかもしれないので、4日の発言には注目したい。
経済指標は、2日に11月PMI(確報値)、ISM製造業景気指数、3日に10月JOLTS求人件数、4日に11月ADP雇用者数、サービス業PMI(確報値)、コンポジットPMI(確報値)、10月製造業新規受注、耐久財受注(確報値)、11月ISM非製造業景気指数、週次原油在庫、ベージュブック、5日に週次新規失業保険申請件数、10月貿易収支、6日に11月非農業部門雇用者数、失業率、平均時給、12月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)などが予定されている。
主要企業決算は、3日にボックス、セールスフォース、4日にダラー・ツリー、シノプシス、5日にドキュサイン、ヒューレット・パッカード、ルルレモンなどが予定されている。
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