提案された上図のポートフォリオを採用した場合、初年度にかかるコストは0.56%。業界平均の4.13%と比較すると3.57%の差が生じる。この差を運用で取り戻すのは簡単ではない。低コストは大きなメリットとなる。
SBI証券が提案するのは、売買まで自動で行ってくれるサービス「ロボアドバイザー」だ。自動で売買してくれるサービスにはこれまでもラップ口座などがあったが、ある程度のまとまった運用資産がないと利用できなかった。その点、「ロボアドバイザー」なら30万円から利用可能なので誰でも手軽にお任せ運用が可能になる。
お任せ運用では、資産配分を定期的に見直す「リバランス」も自動で行ってくれる。
ポートフォリオを組んで分散投資を行う場合、投資後の価格の変動によって資産の配分が徐々に崩れてくる。比率の増えた資産を売却して減った資産を購入し、当初のバランスに戻すことをリバランスという。
投資家が自分で行うこともできるが、仕事が忙しいなどでタイミングを逃してしまうこともある。また、「もう少し、様子を見た方がいいのでは?」などという感情が働き、なかなか実行できないこともある。
お任せ運用ならこのようなことがなく、確実にリバランスを実行できるというメリットがある。
AIを上手に活用することが賢い資産運用の基本になる日は近いのかもしれない。
AIを活用したお任せ運用の一例
金融機関名 | サービス名 | 最低 投資金額 |
自動 リバランス |
手数料 (運用資産1000万円以下の場合) |
SBI証券 | ロボアドバイザー | 30万円 | あり | 1% |
楽天証券 | 楽ラップ | 10万円 | あり | 固定報酬型=0.702% 成功報酬型=0.594%+運用益の5.4% |
※マネーポスト2017年春号