ポーカーと株式投資の共通点
木原氏にとっての転機は、優待目的で買ったある株が大きく動いたことだったという。
「子供が後楽園遊園地に遊びに行くことが好きで、優待目的で『株式会社 東京ドーム』の株を保有していました。すると2021年にTOB(株式公開買い付け)された。企業同士の戦いだと面白く感じて、それからいろいろと株について調べるようになった。そのため、本格的に株式投資をするようになったのは2021年2月からですね」
株式投資をはじめて3年9か月。そこからは株式投資の収入で生活がまわせるほどになったという。プロポーカープレイヤーと個人投資家の二足の草鞋状態だが、この両者に共通点はあるのだろうか。
「まず、“リスクを取らないとリターンを得られないこと”が共通していますね。そしてやはり“運の要素が結構大きい”ということ、あとは正しいプレーをしたからといって勝てるとは限らないし、間違ったプレーをしたことで結果的にプラスになることもある。ただ長期的には正しいプレーが報われるこういうところはすごく共通しているなと感じます」
最近では平日の日中は株の板を見続ける時間がほとんどだ。
「朝8時に起きて、9時から15時までは株の板や歩み値を見ています。特に決算期は新しい銘柄を知るタイミングですからいろいろ調べます」
プロポーカープレイヤーとして「リスク」や「運」と向き合ってきた木原氏は今、どんな業界に注目しているのか。別記事〈【木原直哉氏の注目銘柄7】東大卒プロポーカープレイヤーが語る「リアルな肌感覚で大きな儲けを出した経験」、右肩上がりが期待できる「2つのセクター」〉では、木原氏が株を購入する際に心懸けているポイントや最新の注目銘柄について解説している。
【プロフィール】
木原直哉(きはら・なおや)/プロポーカープレイヤー。北海道名寄市出身。2001年に東京大学理科一類に入学。2012年WSOP $5000 Pot-Limit Omaha 6-Handedで優勝し、日本人初のブレスレットホルダーに。著書に『東大卒ポーカー王者が教える勝つための確率思考』(KADOKAWA)、『運と実力の間』(飛鳥新社)、『たった一度の人生は好きなことだけやればいい!東大卒ポーカー世界チャンプ 成功の教え』(日本能率協会マネジメントセンター)、近著に『「確率思考」で市場を制する最強の投資術』がある。