含み損を使った生涯投資枠の賢い活用術
年間投資枠の満額360万円を使い続けても、生涯投資枠が満額になるのは、まだ4年先になります。それまではとくに意識しなくてもよいかというと、じつはそうではありません。
今年の年間投資枠にまだ余裕があり、ここからとくに買いたい株やETFがない場合、含み損を抱えている銘柄をいったん売却して、買い直すと投資枠の消費が少なくなります。
たとえば、今年の年間投資枠がまだ100万円余っているとします。長期保有を念頭に100万円で買った銘柄が、70万円に下落している場合、いったん売却すれば100万円の投資枠が復活します。買ったあとすぐに同水準の株価で買い戻すと、70万円の投資枠を消費しますが、残り30万円の投資枠は空きます。売却せず持ち続けた場合は、100万円の枠を使った状態なので、いったん売却したほうが投資枠の節約となるわけです。
もちろん、同じ値段で買い戻せるとは限らないので、売却したあと、その株価より高く買い戻す可能性もあります。そのリスクを踏まえた上でトライしてください。長期保有目的であれば、数%のブレは許容するつもりで臨むのがよいかもしれません。
年間投資枠に空きがない場合は、2025年枠での買い直しになります。売却してから時間がたつと、価格差が開く可能性が高くなるため、なるべく買い直しまでの時間は短くするのがコツ。2025年の新NISA枠の取引スタートは、2024年12月27日(金)の約定分からなので、12月26日に売却して、翌日27日に買い戻すのが最短です。