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森口亮「まるわかり市況分析」

【過去30年のデータから読み解く2025年のS&P500】2~3年おきに下落の傾向も長期的には平均10%超のリターン 中間選挙のある2026年は要注意か

30%以上の変動はバブルやショックといった特異な状況下が多い

 次に、過去30年間で最も大きな上昇と下落を確認してみましょう。 最も上昇したのは1995年で、33.56%の上昇を記録しました。この年から2000年にかけては「ITバブル」と呼ばれる上昇相場が続き、1997年にも31.01%の上昇を見せています。2024年も残り1ヶ月を切った時点で、S&P500は前年比27.68%の上昇を記録しています。もしも上昇が加速して年間30%を超える上昇となったら、バブルを意識する投資家が増えるかもしれません。

 一方、最も下落した年は2008年です。リーマンショックの年であり、100年に一度の経済危機と呼ばれただけに▲38.4%と大きな下落となりました。30%以上の変動はバブルやショックといった特異な状況下で起こることが多いです。

 また、上昇した年だけの平均リターンを計算すると+19.55%、下落した年だけの平均リターンは▲13.93%となりました。 この結果からも、年間で±10%以上の変動が起こる可能性を考えて投資の計画を立てる必要があるでしょう。

サイクル的に見ると2025年あるいは2026年に下落する可能性も

 2008年以降の上昇と下落の推移を調べていると、2年から3年おきに下落する年を挟んで動いていることがわかります。

 2023年と2024年には20%を超える上昇が連続していることから、2025年あるいは2026年には下落の年となる可能性も捨てきれません。

 また、4年に一度の中間選挙の年に絞ってS&P500のリターンを平均すると、わずか2.2%となり、全体の平均リターンを大きく下回ります。 これらのデータを踏まえて、筆者は中間選挙の行われる2026年には10%程度の下落も想定しておきたいと考えています。

 今回の分析は、過去の傾向をもとにしたものであり、株式市場の動向はこの通りに進むとは限りません。2025年はトランプ大統領の誕生によって、世界経済は大きく変動することが予想されます。そのため、ファンダメンタルズの分析だけで一喜一憂しないように、長期視点でのデータを確認することも重要な分析方法の一つです。

【プロフィール】
森口亮(もりぐち・まこと)/個人投資家、投資系YouTuber。1983年、埼玉県生まれ。元美容師。「Excelで決算数値を管理して、有望な成長株を中・長期的に狙う」という手法で資産を10倍に。その後も着実に資産を増やしている。著書に『1日5分の分析から月13万円を稼ぐExcel株投資』(KADOKAWA)がある。YouTube「毎日チャート分析ちゃんねる」やnote(https://note.com/morip)を日々更新中。

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