FX(外国為替証拠金取引)投資家にとって知っていると役立つのが「アノマリー情報」だ。アノマリーとは、論理的に説明できないものの、頻繁に繰り返される相場の法則のこと。「為替の学校」M2JFXアカデミア学長でもある吉田恒氏が、為替相場に関する7月のアノマリーについて解説する。
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7月の代表的「アノマリー」は、「一年で最もドル高・円安になりやすい」でした。「でした」と過去形にしたのは、この「アノマリー」、このところここ4年連続で外れているからです。 この結果、1995年以降のドル騰落状況では、7月のドル高は11回で、1月、10月と並ぶところとなってしまいました。かつての「断トツ」の「ドル高の7月」は揺らぐところとなっていますが、さて今年はどうで夏しょうか。
アベクミクスのドル高・円安、株高も、7月参院選前後が一つの転換点になるとの見方はかねてからありました。そうなると「ドル高の7月」は、今年も外れてしまうのかもしれません。
ところで、もう一つの7月の「アノマリー」は小動きということです。2000年以降で調べたところでは、7月のドル円平均値幅は4.2円で一年12か月の中で最小でした。ちなみに、8月と9月は4.3円だったので、7~9月の3か月が値幅の「ワースト3」だったのです。
「夏枯れ相場」という言葉がありますが、夏休み前後はさすがに相場も閑散、小動きになるといった意味ですが、確かにその通りといった結果ですね。アベノミクスで普通に良く動くようになった相場ですが、それも一息つく夏相場になるのでしょうか。
※マネーポスト2013年夏号