2024年1月の改正により、「年間投資枠が最大360万円」「非課税期間は無期限」「保有限度枠1800万円」など、旧NISAに比べて制度が大幅に拡充された新NISA(少額投資非課税制度)。2年目を迎えて、新たにチャレンジしたいという人もいるのではないか。今から始めるにはまずは口座開設が必要だ。具体的な手順を解説する。【前後編の後編】
この1年、新NISAを“様子見”していた人が、今年から始めるのでは遅いのか。新NISAに詳しいファイナンシャルプランナー(FP)の深野康彦氏は「むしろ、今こそ始め時」だと言う。その理由は、昨年の日経平均の乱高下を経て、新NISAの「勝ち筋」が見えたからだ。深野氏が語る。
「昨年は新NISA開始前後から、“バスに乗り遅れるな”とばかりに、多くの投資家が高値でもどんどん買っていき、8月の大暴落でパニックになった人も多い。今年も世界情勢の先行きは不透明ですが、一方的に上がる相場ではなく、値動きが比較的落ちついているだけに、コツコツ投資を始めるのにいいタイミングだと思います。最低10年は保有する前提で考えれば、決して遅くはない」
ここからは新NISAで投資を始めるために必要な手続きについて解説していく。まずは金融機関で「口座」を開設する必要がある。
「新NISA口座は1人1口座しか持てない。銀行でも口座は開けますが、限られた投資信託商品しか購入できません。将来的に様々な商品に投資したいのであれば、投資信託に加えてETF(上場投資信託)や個別株も選べる『証券会社』がいいでしょう」
なかでもメリットが多いとされるのが「ネット証券会社」だ。金融商品の購入や売却をオンラインで行なうネット証券会社は、実店舗を持つ証券会社に比べて取扱銘柄数が多く、取引手数料も安い傾向にある。
「ネット証券は口座の開設もスマートフォンやPCによるオンライン手続きで完結します。具体的な手順は各社でほぼ共通しており、最短なら10分程度で申し込みまで進むことができます」