この3つを満たすと、確定申告をしなくても寄付したお金は取り戻せる。ワンストップ特例を利用した人の2016年分の寄付については、2000円を除いた寄付金の全額が、2017年分の住民税から差し引かれるので、給与明細などで確認してみよう。
便利な制度だが、残念ながらこの3要件に当てはまらないと利用できない。「6か所以上の自治体にふるさと納税した」「申請書を送るのを忘れた」「ほかにも利用できる控除がある」といった人は、確定申告でお金を取り戻そう。ちなみにワンストップ特例の申請書の必着は1月10日。1件でも送付し忘れていると確定申告が必要だ。
申告すれば同じようにお金は取り戻せるが、ワンストップ特例と確定申告では、税金の戻り方が変わってくる。
「ワンストップ特例の申請をした人は、2000円を除く寄付金の全額が住民税から差し引かれます。一方、確定申告すると、所得税と住民税に分けて戻されます」
昨年、10か所の自治体に、合計5万2000円を寄付したAさん(年収600万円・所得税率10%)のケースで見てみよう。
ふるさと納税は、寄付した金額から2000円の自己負担を除いた全額が取り戻せるので、Aさんに戻る税金の合計は5万円だ。そのうち、所得税から戻ってくるお金の目安は、【(寄付した額-2000円)×所得税率】。
これをAさんのケースに当てはめると、【(5万2000円-2000円)×10%=5000円】。確定申告すると、まずは所得税から5000円がAさんの銀行口座に振り込まれる(復興特別所得税は考慮しない)。