バスでは一旦乗り口から降りて運賃を払うハメに
路線バスでも事態は同様だ。国内有数の観光地に住む主婦・40代女性・Dさんは、「バスは狭く、スーツケースを置くとあっという間に通路が埋まる」と嘆く。
「外国人観光客集団が、狭い通路にたくさんの大きなスーツケースを置くので、乗降するときに相当邪魔になるし、乗車できる人数も減っているのではと思うことも。スムーズに乗降できないせいで運行が遅れることもあるし、最悪の場合は乗車できないことも。市民の生活が圧迫されているように感じます」
Dさんの地元で運行するバスは、後方の乗車口から乗り、前方の降車口で運賃を支払うというシステム。ただしバス後方に位置取りした場合、外国人観光客のスーツケースのせいで前に進めず、「一旦、外に出る」という策を取ることもあるという。
「後方の乗車口から降りて外から前方の降車口に向かい、料金を支払うこともあります。一旦外に出るので無賃乗車に間違われないように『降ります!』とアピールしますね。一方で、外国人観光客のなかには、降車口で運賃を支払わず、しれっと乗車口から出ていくケースも何回か見かけました。こんな状況がいつまで続くのでしょうか」(Dさん)
2025年はこれまで以上に訪日外国人が増える見込みのため、オーバーツーリズムの問題を実感する機会も増えるかもしれない。