*07:43JST NYの視点:米12月PPIは予想下回る、CPIやPCEは加速か
米国労働統計局が発表した12月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.2%となった。伸びは予想外に11月+0.4%から鈍化した。食品価格が―0.1%と予想外に下落したことが指数を押し下げた。野菜の価格が15%近く下落したほか11月に鳥インフルの影響で上昇していた卵の価格も56%近く下落した。
前年比では+3.3%と、11月+3.0%から伸びが拡大したが予想を下回った。3カ月連続の伸び加速で、23年2月来で最大となった。変動の激しい食品や燃料を除いたコアPPIは前月比で+0%となった。伸びは11月+0.2%から拡大予想に反し、鈍化しマイナスとなった23年7月来で最低。前年比では+3.5%と加速予想に反し11月と同水準にとどまった。ただ、23年2月来で最高となった。
PPIのいくつかの項目は連邦準備制度理事会(FRB)が最も重要視している個人消費支出価格指数(PCE)の算出に用いられるが、それらの項目はまちまち。病院での治療コストは横ばい、金融のマネージメントコストや医師サービスコストの伸びは緩やかなものにとどまった一方で、航空運賃やホテルなどのコスト上昇が目立った。特に航空運賃の伸びは2022年3月来で最大となった。
■12月PCEで用いられるPPIの一部項目
航空関連サービス:+7.2%(11月―1.6%)
ポートフォリオマネージメント:+0.2%(-0.6%)
医療ケア:+0.2%(0)
自宅・ホスピスケア:+0.2%(+0.1%)
病院外来:0%(0%)
入院治療:0(+0.2%)
老人ホームケア:+0.4%(+0.1%)
この情報をもとにエコノミストはコアPCEが前月比で+0.21%前後と、11月の+0.1%から伸びが加速すると見ている。12月のPCE価格指数は今月31日に発表予定。なお、15日に発表が予定されている消費者物価指数(CPI)は総合で前年比+2.9%と、11月+2.7%から伸びが拡大する見通し。FRBがインフレ指標として注視しているコア指数は前年比+3.3%と、11月と同水準が予想されており、インフレの根強さが示される可能性がある。
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