米国のインフレもプラスに
関税引き上げが実施されることによって米国内のインフレが拡大し、景気後退のリスクも指摘されているが、マーケットバンク代表の岡山憲史氏はこう言う。
「関税強化によって基本的に米国内での物価上昇は進むと思われますが、第1次トランプ政権でもそうだったように、結果として米国経済は拡大を続けてきました。それは減税や規制緩和によるところが大きく、今回もそうして米国経済の好調が維持されれば、日本経済にとっても当然、プラスの影響が大きいと考えられます。
また、米国内のインフレ傾向が高まることから、当面はドル高・円安基調が続くと見込まれます。輸出企業が多い日本の企業業績は押し上げられ、株式市場に上昇気流がもたらされるのは間違いないでしょう」
では、日本株はどこまで上昇が期待できるのか。株式投資で億超えの資産を築いた「億り人」たちに聞くと、揃って強気の見方をした。
資産20億円超の88歳現役トレーダー「シゲルさん」こと藤本茂氏はこう語る。
「トランプ氏が掲げる60%関税といった対中強硬策が実行されれば、中国企業にとって強い逆風になる分、日本の輸出企業はそれだけ追い風を受けることになる。年内に日経平均が5万円を超えてもおかしくないと考えています」
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