閉じる ×
大竹聡の「昼酒御免!」

新年早々に昼飲みの王道をいく 「神保町の町中華の人気店」で餃子と生ビールで乾杯、野菜の甘味が口の中で広がる軽くて幸せな味わい

人のつながりにほのぼのとする

肉の天ぷらはボリューム満点

肉の天ぷらはボリューム満点

 隣席へ、一人のお客さんが、ふらりと現れた。ケンちゃんの上司、Iさんである。ああ、そうですよ、ここは、お膝元なのだ。Iさん、気さくに私たちの昼酒に付き合ってくださった。お世話になっている方との邂逅は嬉しいものだ。Iさんの注文は、酒はビールからハイボール、つまみはザーサイと肉の天ぷらという。いいですねえ、昼酒が進む組み合わせだ。

 Iさんと私は年齢が近いから、ちょっと昔の話をするにしても、知人の中に共通の人がいるので、思わぬところで若い頃の人間関係がすぐ側で展開していたことがわかって楽しい。

 昨今では、どうやら近くにいたらしいという人の消息について、その人が亡くなった後で聞くことなども増えているから、正月早々ばったり会って軽く飲みながら、人のつながりに思いが及ぶのは、心がほのぼのとして、実にありがたい。正月って、いいものだと思う。

 そこへ、私の頼んだレバネギ炒めも登場した。ネギのみならず、ニンジン、ピーマンの彩りも嬉しい立派な一品。これも、白飯と一緒にかきこみたいが、これも年齢のせいか、その食欲も旺盛とは言いがたい。

当たり前だがレバーはネギとも相性抜群なのだった

当たり前だがレバーはネギとも相性抜群なのだった

 ここで大いなるしくじりに気がついた。私は、肉団子に、肉の天ぷらもつまみ、ザーサイは好物であるから当然箸をのばし、さらにはレバネギも堪能するのであるから、レバネギを選んだ唯一最大の理由としての「にらそば」は、もう腹におさまらぬ、のである。

 こちらの「にらそば」は、後で調べてわかったことだけれど、某コンビニエンスストア限定のカップ麺にもなっているという。名物なのである。そんなことを知るほどに、素通りできぬくせに素通りせざるを得ない還暦過ぎのへたり胃袋に、腹が立つのである。

 しかしながら、こればかりは仕方がないのだ。諦めるしかない。正月昼酒の裏を返す機会にこそ、「にらそば」をすすりつつ、紹興酒をやりたいと思う。

次のページ:宵酒率10割の男

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。