タイメディアによれば、2024年の中国人旅行者数は670万人で2023年の270万人から大きく増えていた。一連の事件によって中国人のタイ旅行需要が抑えられ、その一部が日本に向かう可能性がありそうだ。
年配の方々の中にはバブルの時代、若いOLが週末、香港に出向き、飲茶(点心)を食べ歩き、ブランドバッグを買い漁った時代の記録があるはずだ。2024年の訪日外国人客数が3687万人に対して、出国した日本人は1301万人しかおらず、2015年以降、後者の数が前者に逆転されてからは、その差は広がる一方だ。長期にわたる日本経済の低迷、円安による国力低下を強く意識せざるを得ないだろう。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」も発信中。