購入者は20代から中高年まで幅広いという。
また、元製薬会社社員で薬剤師のYouTuber・JOJO氏は、「福岡・中洲で、これまでに問題が指摘されたものと同じロイヤルハニーを売る地元のドラッグストアを見た」と証言した。
この店舗を取材すると、「確かにお取り扱いはあります。しかし、バイヤーから『健康食品なので問題がない』と言われました」と応対。JOJO氏が言う。
「個別に検査しないとタダラフィルが含有されているかわからないことが問題を複雑にしており、その間に違法な商品が話題となって流行してしまっている現状があります」
当然ながら、摂取には健康リスクがある。くぼたクリニック松戸五香の窪田徹矢院長が言う。
「タダラフィルは医療用医薬品の成分で、医師の診察のもと疾病の治療に用いられるものです。重篤な副作用、健康被害を及ぼす危険性もあるため、未承認の商品については都道府県から報告を受けた厚生労働省も注意喚起を行なっています」
特に基礎疾患のある人はリスクが高いという。
「タダラフィル成分は下半身の血管を拡張させて勃起させる効果があります。同時に全身の血管も拡張させるため、血圧が急激に下がる。高血圧、糖尿病、高コレステロールの方はこの急激な血圧低下に対応できずに症状が重くなるリスクが想定されます。
心臓に負担がかかり、不整脈になって心室細動や心不全を起こし、最悪の場合は腹上死することもあります。未承認の“精力ハチミツ”であれば、後遺症などのトラブルに見舞われたとしても、国の救済制度を受けられません」(同前)
甘い蜜の誘いに吸い寄せられることのリスクはあまりに大きい。
※週刊ポスト2025年2月14・21日号