閉じる ×
トレンド

元球団社長が明かす「プロ野球キャンプとお金」本当のところ 「2億円超え負担」の内訳は?洗濯代だけで約1000万円の出費、負担増がオープン戦開催地に影響も

キャンプを通じた球団の“実入り”は少ない

 キャンプ地には全国から多くのファンが訪れる。昨年のキャンプではソフトバンクが26万人を集客したのをはじめ、12球団で114万人を集めている。キャンプによる経済効果は沖縄県が178億円、宮崎県が107億円とされるが、それは球団の“実入り”に直結するわけではない。在京球団関係者が言う。

「グッズ販売による売り上げはあるが、キャンプ施設での見学は無料です。飲食店も地元業者が出店している。キャンプでは球団は持ち出しばかり。もちろん、地元の協力でキャンプができる以上は当然のことですが」

 近年の傾向について、スポーツ紙デスクはこう説明する。

「人気球団かどうかの差もありますが、ひと昔前は1球団1億円といわれていたところから球団側の負担は大きく増えている。食事面の大きな改善もあるし、宿舎のランクも上がり1人ひと部屋となって以前の1.5~2倍にあたる1億5000万~2億円がキャンプ費用の相場だといわれています。これにキャンプ地の球場拡張やネットの増設、室内練習場の建設費も球団が一部を毎年のように負担している。

 こうした費用を3月に開催するオープン戦で少しでも回収しようとしている。集客力がある巨人、阪神、ソフトバンクが人気というのは変わらないが、かつては野球振興のために収容人員が少なくても地方の球場でオープン戦を組んでいたが、最近は経費がかさむようになって各球団とも収容人員が多くてファンが足を運びやすい本拠地で2連戦や3連戦を開催することが多くなった。

 それにより地元テレビの試合中継(放映権料)も期待できるし、本拠地球場内の飲食店やグッズショップでの売り上げにもつながる。さらにいえば選手は自宅に帰れるため、宿泊費や交通費なども浮く。地方のファンの楽しみが減じるという点については、シーズン中に地方開催をすることでカバーしているようです」

 巨額年俸を手にしながらそれに見合う活躍ができない選手も少なくないが、強いチームを作るために球団は大きな額のキャンプ費用も捻出している。これに応えるために選手は体作りや技術の習得に勤しむことになるわけだ。

 大きな資金の動くプロ野球の世界。関連記事『全一軍出場野手319人の「1安打あたりの年俸」ランキングを一挙公開 ワースト1位は「年俸2億円で3安打」』では、各選手の費用対効果を検証している。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。