その隣に位置し、県庁所在地として知名度も高く、海にも面する宮崎市だが、ここにも挌差が生じていた。寄附件数が1423件と都城市の100分の1にも満たない。市の言い分はこうだ。
「他の地域の生産物を返礼品にしている自治体もあると聞きますが、宮崎市の場合はそういうものに頼らず、地元産品に限定しています。それにこちらは返礼品の還元額を3割程度に抑えていますが、都城市さんはもっと高く設定しているのではないでしょうか」(納税管理課)
自前の戦力で戦い、“札束攻勢”はかけない戦略だというのだ。
「宮崎市に来ていただくための『滞在型』の返礼品に力を入れており、『指定ゴルフ場でのプレー権』(10万円以上の寄附)などがあります。寄附は欲しくても“何が何でも”というつもりはありません」(同前)
ふるさと納税版“清貧の思想”である。
※週刊ポスト2017年3月17日号