シューズショップの椅子に座ってソフトクリームを食べる客も
シューズショップで、外国人観光客の呆れたマナーを目撃したのは金融機関勤務の40代男性・Bさんだ。
「展示されている靴を手に取って元の場所に戻さない人、何足も靴を試し履きした挙げ句、その靴を蹴って店員に片づけさせようとする人……。店員さんも大変だなと思いつつ見ていました。あと客側として個人的に嫌だったのは、『裸足』で試し履きするケースですね」
試し履き用の椅子を本来の用途で使っていない外国人観光客も目立つという。Bさんは「もはや無法地帯」だと嘆く。
「靴を試し履きをするわけでもなく、休憩のために椅子に座っている外国人は当たり前。スマホを見ているだけならまだいい方で、小さな子供を寝かせていたり、飲み物を飲んだり、ソフトクリームを食べている人までいました。
あるときは、私が椅子に座って試し履きをしていて、ちょっと履き心地を確認するために立ち上がったら、すぐに外国人に座られたこともありました。私の荷物が置いてあるにもかかわらず、お構いなしです」(Bさん)
試着室内に充満する香水のにおいが服にまで
店員側はどのように受け止めているのだろうか。都内のアパレルショップで働く30代女性・Cさんは、「文化の違いで仕方ない部分もあると思いますが……」と悩ましさを語る。
まず、Cさんの店では「靴のまま試着室に入る外国人が多い」ことに悩まされた。
「試着の際に靴を履いたまま、試着室に入ってしまう外国人のお客様はたくさんいます。英語の張り紙で呼びかけていますが、気づかない方もいる。もちろん見かけたら注意するのですが、最近は、もう靴のまま入っていいようにしようか、という話が出るほど諦めムードになっています」
最近Cさんの店で悩みの種になっているのは、外国人観光客の「香水のにおい」だ。
「外国人は日本人よりも香水のにおいが強い方が多いですね。試着室内に香水のにおいが充満してしまい、日本人のお客様からクレームがあるほどです。厄介なのは試着室だけでなく、服に香水のにおいがついてしまうこと。特に夏場は、試着した服に汗と香水の香りがたっぷり染み込むことがあって、すぐには陳列棚に戻せません」(Cさん)
国や文化が違えば、マナーに対しての意識も異なるもの。とはいえ急激な訪日外国人数の増加でマナー啓発が追いつかず、苦労している現場は少なくないのかもしれない。