米国にトランプ政権が生まれたことで、日本経済にはどのような影響が出てくるのだろうか。経済アナリストの森永卓郎氏は、「プラザ合意の再来」による円高誘導が実施される可能性を危惧している。以下、森永氏が解説する。
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今後、日本はトランプ米大統領からとんでもない要求を突きつけられる可能性が極めて高いと思います。
トランプ大統領のマクロ経済政策の柱は、法人税率を現行の35%から15%へ一気に引き下げることに代表される大規模減税と、今後10年間で最大1兆ドルを支出して大規模なインフラ投資をするという2点です。
私は、かなりの確率でトランプ大統領はそれを断行すると考えていますし、その結果、アメリカの景気は良くなるでしょう。ただし、この2つの政策は2つの大きな副作用を伴います。
まず、大規模減税や公共投資は、思い切り需要を喚起することになるので、インフレを起こすことが一つ。また、インフラ投資を行なうには、財源捻出のため米国債を大量に発行しなければならないので、アメリカの金利は上昇する。金利が上がるとドルを欲しがる投資家が増えるので、当然、ドル高が進むことがもう一つの副作用です。
問題は、その際にドル高とインフレが想定をはるかに超える高率となってしまう可能性が高いことです。