振り返ると、2012年12月の安倍新政権の誕生前後から東証REIT指数は大きく上昇し、2013年1月4日に約1141ポイントだった同指数は黒田東彦氏が日銀総裁に就任した同年3月下旬に1700ポイント台に乗った。
日銀は翌4月に量的・質的金融緩和を導入。2014年10月末に実施した追加金融緩和は、Jリート市場の時価総額が初めて10兆円を超える追い風となった。
この追加金融緩和によって、2015年1月には一時1990ポイントを超え、同年前半は1800~1900ポイントのボックス圏内で推移した。2015年後半は6月下旬から深刻化したギリシャ問題や翌7月の中国株暴落に加え、米国の利上げによる投資環境の悪化などの海外要因で9月上旬に一時1500ポイント前後まで急落する場面もあったが、その後回復し、1700ポイント付近を維持した。
日銀の金融政策がJリート市場で再び存在感を強めたのが、翌2016年1月29日に打ち出したマイナス金利政策導入決定だ。
2016年は年初から1月下旬まで1700ポイント前後で動いていたが、決定後の翌営業日の2月1日に1848ポイントに達するなど短期間で大幅に上昇。とりわけ2~4月まで外国人投資家が旺盛な買いを入れて急騰した局面もあり、4月25日には1970ポイントと、2000ポイントに迫る勢いをみせた。