世界はさらに不確実な方向に向かう?
松井:4月からの新年度・新生活に向けて、「経済や市場の先行きをどう見ておけばいいのかな」と悩んでおられる方も多いと思います。昨年のイギリスの国民投票やアメリカの大統領選挙の結果をこぞって「予想外」、「番狂わせ」などと言われてしまうと、私たちは何を信じてよいのか分からなくなります。
松田:投資には情報収集が大事ですが、誤った先入観に乗っかるほど危険なことはありませんね。
松井:来年度は何に注目したらいいのでしょうか? 世界はどんどん内向きになっていくのでしょうか?
松田:この先しばらくは、ヨーロッパ大陸の政治イベントから目を離せないでしょう。まずオランダ、続いてフランス、ドイツで行われる重要な国政選挙の結果、自国優先、保護貿易、移民排斥などの動きがさらに強まると、世界経済の足かせになるリスクがあります。
トランプ大統領の政策も、理念に基づくものというより、まず高めの球を投げておいて、その後の交渉でどれだけ実(じつ)を取るか、というビジネスのやり方を内政にも外交にも適用しようとしているように見えます。「不透明」、「不確実」を通り越して、「予測不能」性が世界を不安定にする懸念があります。