この戦略は、機関投資家の買いを先回りできるという利点もある。機関投資家はIPO銘柄を上場直後に購入することはほとんどない。少なくとも上場後の初決算を経た段階まで待って、業績の変化などから投資判断を下してバイ・アンド・ホールドに踏み切るケースが常である。
したがって、業績の上方修正が発表された直後のまだ株価が安い段階で仕込んでおけば、その後の機関投資家の買いによる株価上昇を享受できる可能性が高いといえる。もちろん、その銘柄を後から機関投資家が購入することが大前提なので、銘柄選びが極めて重要になる。
その際に、「IPOジャパン」のホームページ(https://ipojp.com/)では直近IPO銘柄の上方修正などの開示情報を手軽にチェックできるので、ぜひ活用してほしい。
また、上場後1~2年経った段階で新興市場から東証1部へ市場変更するタイミングを狙う戦略も妙味がある。そうした銘柄を先回りして仕込めれば、大きなリターンも期待できる。
今年上半期でいえば、障害者向け就労支援が主力のLITALICO(マザーズ・6187)、スマートフォン向けニュース配信アプリを手がけるGunosy(マザーズ・6047)、葬儀、お墓、仏壇のポータルサイトを運営する鎌倉新書(マザーズ・6184)などの東証1部への市場変更が有望視される。
※マネーポスト2017年春号