実際、2016年IPO銘柄の上場当日のパフォーマンスを見ると、初値が天井だったのはわずか2銘柄。すべて初値がついた後も値上がりし、その初値から高値の平均騰落率は9.9%となっている。一方、上場当日の初値と終値を比べた平均騰落率はマイナス1.9%だった。
例えば、2016年12月22日に上場したエイトレッド(マザーズ・3969)は4210円で初値がついた後、わずか5分間で4910円のストップ高まで跳ね上がった。
このように、IPO株を初値で買って、あまり欲張らずに初値より9~10%の高値で売る指値注文をしておく戦略を取れば、非常に高い確率で利益を出せるということだ。
さらに成功率を上げたければ、新興銘柄で、市場からの調達額が5億円未満で、ベンチャーキャピタルの保有がなく、主要株主にロックアップ(売却制限)がかかる、といった点が銘柄選びのポイントとなる。
こうした銘柄は上場日に売り圧力が出にくいので、この投資戦略の成功率は増すはずだ。
※マネーポスト2017年春号