米雇用統計の発表などでも、見受けられるのですが、発表された結果に対して直感的に「良い悪い」で「買い上げたり」「売り下げて」相場が動いたところで、発表された金曜日はその影響を受けた状態ですが、翌週の月曜か火曜には、手仕舞いが出て反転してしまうものです。
やっているのが投機筋ばかりの相場ですと、このようなことは日常茶飯事。これも投資家という存在が、マーケットにいないがために起きるわけです。レンジ相場とは、投機筋同士の足の引っ張り合いの相場なのです。
ですから、すべてに真面目に付き合っても、体力が消耗するだけです。ご自分のフィーリングが湧いた時だけに限って、「相場に出る」ぐらいでちょうど良いと思います。
私も、レンジ相場では苦い思いをしました。そして、徹底研究した結果が、以上お話ししてきたようなことになります。
今年の相場は投資家筋が作るような“トレンドの源流”を把握するまで、絶対に熱くならないこと、飄々とやることです。
【PROFILE】水上紀行:1978年三和銀行(現、三菱東京UFJ銀行)に入行。1983年よりロンドンや東京、ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。東京外国為替市場で「三和の水上」の名を轟かす。1995年より在日外銀に於いて為替ディーラー及び外国為替部長として要職を経て、現在、外国為替ストラテジストとして広く活躍中。バーニャ マーケット フォーカスト代表。
※マネーポスト2017年春号