先祖代々の土地を引き継いできたような旧来の富裕層にとっては、自分の子どもや孫になるべく多く資産を遺すために、不動産や法人設立などによる相続対策が第一となります。
一方、新富裕層は自らの収入を減らさないための対策を重視する傾向が強い。たとえば資産管理法人を作って、家族に所得を分散したり、支出の多くを経費として計上する。
「税金を払うくらいなら経費で落とそう」といった考えから、高級車を購入したり、食事の際はとにかく領収書をもらって接待交際費で落としたり、余念がありません。
ただし、少し前までは日本よりも税金の安いシンガポールなどに移住して節税に励む人も多かったのですが、規制が強化されるなど、これまで通用していた節税スキームはどんどん減ってきています。
さらに、2016年から「マイナンバー」が導入され、現在は移行期間のため強制力はありませんが、今後は収入の捕捉がより厳しくなるのは間違いなく、“お金持ち包囲網”が狭まっているのが実態です。
※マネーポスト2017年春号