すべてのお金持ちが最初から資産家だったわけではない。先祖代々のお金持ち一族がいる一方で、最近では一代で資産を築き上げる「新富裕層」も続々と登場している。彼らはいかにしてお金持ちの仲間入りをしたのか?
これまで多くの資産家たちの家計相談を受けてきた「家計の見直し相談センター」の藤川太氏が、新富裕層たちの資産運用について解説する。
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実は、新富裕層が財を成したのは、バブルにうまく乗れたからではありません。むしろ2008年のリーマン・ショックに代表されるような世界的な経済危機の最中に様々な資産を買い進め、その後の上昇局面でいち早く売り抜けるという大勝負で勝ってきたからです。
これは投資に限らず、事業にも共通することですが、ほとんどの人が手を出しづらい状況でリスクをとり、大きなリターンにつなげる。だからこそ資産運用では短期的な相場の上げ下げは気にもとめず、もっと長い目で見た「景気循環」を重視しています。
昨年来、盛り上がりを見せる「トランプ相場」に一喜一憂している人も少なくないと思いますが、ほとんどの新富裕層は「いまは売りのステージ」と見て、すでに昨年までに株や不動産を売却。
むしろ「トランプ相場後」のショックを見据えて、キャッシュポジションを増やし、「いつ下がるか」を待ち構えているような状況です。