私立だけでなく国公立大学の定員割れも時間の問題
日本私立学校振興・共済事業団の「私立大学・短期大学等入学志願動向」(2024年度)は、入学定員充足率100%未満の定員割れした大学が34校増加して354校になったとしている。私立大学全体に占める未充足校の割合は前年より5.9ポイント上昇し、過去最高の59.2%となった。
私立短期大学の定員割れは5校減少して249校だった。校数だけを見れば状況が改善したように見えるが、短期大学全体に占める未充足校の割合は91.5%と前年の92.0%とほぼ同じで、高水準のままだ。多くの短期大学は入学定員の削減を実施しており、短期大学全体の募集人員は前年比8.5%減、入学者数は10.9%減だった。かなり厳しい経営状況に置かれているというのが実情だ。
他方、「2024年度国公私立大学入学者選抜実施状況」における国立大学の充足率は103%(募集人員9万5692人、入学者数は9万8524人)だ。公立大学はさらに良好で105.6%(3万3796人、3万5702人)であり、どちらも定員割れはしていない。だが、今後の18歳人口の減り方の速さを考えれば、国公立大学の定員割れも時間の問題だと言えよう。
文科省によれば、18歳人口のピークは1966年の約249万人で、1992年に約205万人になって以降は右肩下がりが続いている。総務省の人口推計では2024年10月現在、約109万人だ。
18歳人口は今後しばらくは緩やかに減っていく。しかしながら、2030年代半ば以降は激減する見通しとなっている。その理由は、2019年頃から日本人の出生数が前年比5%ペースで下落しているためである。
このままならば、日本人の年間出生数は2040年頃には30万人台前半まで低下する。これはそのまま2050年代後半の18歳人口となる。現在の大学数を維持することは難しいと言わざるを得ない。