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池上彰氏・佐藤優氏がグリーンランドをめぐる“トランプディール”を読み解く 「購入」をふっかけて「民族自決権」に落とし込む、人々の認知フレームを変える天才的能力

“トランプディール”の本質はどこにあるのか(写真/AFP=時事)

“トランプディール”の本質はどこにあるのか(写真/AFP=時事)

 世界情勢や経済に大きな影響を与えているトランプ米大統領がブチ上げた「ウクライナ停戦」は、世界に衝撃を広げた。そのトランプ氏が狙う次の一手が「グリーンランド購入」だ。ジャーナリストの池上彰氏と作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏が緊急対談で、トランプ氏の真意を読み解く。

グリーンランド「購入発言」の意図

佐藤:トランプ大統領は、就任当初大きな注目を集めた「ガザ地区を中東のリビエラに」という構想からは手を引くでしょう。世論の反発があまりに強い。

 むしろ今、トランプにとっての主戦場はヨーロッパです。“経済もボロボロなのに生意気だ。一発絞めて誰が主人かわからせてやる”という感じではないか。次の標的は、グリーンランドです。

池上:トランプさんが「買いたい」と意欲を示したデンマークの自治領ですね。3月に自治議会の総選挙が行なわれます。

佐藤:5万6000人の人口のうち9割は先住民ですから、選挙をすれば自ずと“独立”を望む人たちが多数になる。

池上:トランプさんが購入をふっかけたことで、驚いた住民の間で、“何を言っているんだ”と自決の意識が高まっています。

佐藤:デンマーク支配に対する不満も強い。彼らが自ら行なう住民投票で「デンマークからの独立」が過半数を取れば一方的に独立を宣言できる。

池上:ロシアがウクライナ東部でやったのと同じことですよね。

佐藤:当然、デンマークは「独立を認めない」と主張しますが、自治政府にとっては主権侵害とも言えます。そこで自治政府の要請を受けるかたちで、アメリカは相互安全保障条約を結んで現状は小さな米軍基地をうんと大きくする口実ができる。

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