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キャリア
【労働問題のプロが解説】問題社員のトラブル解決術

「ここがだめなら、あそこがある!」売り手市場がうみだす“厄介な問題社員”の発想 ネットで自分に都合いい情報を切り貼りし自己防衛、転職先でもトラブル起こす“渡り鳥”に

次がある安心感からもめごとが増える(『知識ゼロからの問題社員のトラブル解決 円満退職のすすめ方』より)

次がある安心感からもめごとが増える(『知識ゼロからの問題社員のトラブル解決 円満退職のすすめ方』より)

売り手市場が問題社員の漂流につながる

 少子高齢化による労働人口の減少が社会問題となっています。2040年には、1100万人の労働力が不足するという指摘すらあります。この社会の変化は、転職に対するハードルを随分と低くしました。「ここがだめなら、あそこがある」という発想です。これも問題社員をうみだす要因です。

 問題社員は、転職先でも問題を引き起こします。特に医療や福祉の分野では、業界内での往来が多いため問題社員が漂流します。いわば渡り鳥のようなものです。

「応募があっただけでもありがたい」と採用したら対応に苦労しているケースも少なくありません。

誰もが情報を得られる時代では”都合のいい”情報を集めやすい

 ひとは、情報を自分に都合よく解釈します。その習性が問題社員の間違った自信をうみだす素地にもなります。

 特に問題社員は、周囲が驚くほど自分に自信があります。そのため、仮にトラブルを起こしても、自分で集めた情報を都合よく解釈して周囲を攻撃します。

 こういったひとは、ネットで知り得た情報を切り貼りして自分に都合よく労働法を解釈しています。そして経営者は、専門用語で反論されて思考停止に陥ります。

 現在は、ネットを通じて大量の情報を容易に手にいれることができるようになりました。つまり、自分に都合のいい情報を集めやすいということです。これは「自信」による問題社員化を助長することにつながります。

※島田直行・著『知識ゼロからの問題社員のトラブル解決 円満退職のすすめ方』(幻冬舎)より、一部抜粋・再構成

【著者プロフィール】
島田直行(しまだ・なおゆき)/島田法律事務所代表弁護士。山口県弁護士会所属。山口県下関市生まれ、京都大学法学部卒業。「経営者の悩みにすべて応える」ことを旨とし、問題社員のトラブルのみならず、クレーマー化した顧客の対応、事業承継など幅広いジャンルを取り扱う。心理学的なアプローチを取り入れながら「調和」と「バランス」のとれた解決策を編みだし、これまで経営者側の代理人として200件以上の労働事件を解決に導く。著者に『社長、クレーマーから「誠意を見せろ」と電話がきています 「条文ゼロ」でわかるクレーマー対策』(プレジデント社)、『院長、クレーマー&問題職員で悩んでいませんか?〜クリニックの対人トラブル対処法〜』『社長のための士業のトリセツ』(共に日本法令)など。

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