閉じる ×
FiscoNews

【注目トピックス 日本株】サンマルクHD Research Memo(1):牛かつ市場のリーディングカンパニー2社を子会社化

*14:01JST サンマルクHD Research Memo(1):牛かつ市場のリーディングカンパニー2社を子会社化
■要約

サンマルクホールディングス<3395>は大手外食チェーンである。創業以来の経営理念に「We Create the Prime Time for you」(私たちはお客様にとって最高のひとときを創造します。)を掲げ、セントラルキッチンを持たずに店内で調理を行うことにこだわり、人々のより豊かな心と生活の形成に「食」を通じて貢献することを目指している。

1. パスタ業態とカフェ業態が主力。M&Aで牛かつ業態に参入
同社はベーカリーレストラン業態、パスタ業態、カフェ業態を中心に全国展開し、報告セグメント区分をレストラン事業及び喫茶事業としている。レストラン事業は、洋食レストラン「ベーカリーレストラン・サンマルク」、スパゲティ専門店「生麺専門鎌倉パスタ」、ドリア専門店「神戸元町ドリア」など、喫茶事業はセルフサービス喫茶店「サンマルクカフェ」、フルサービス喫茶店「倉式珈琲店」などを展開している。2025年3月期第2四半期(以下、中間期)末時点のグループ合計店舗数は733店舗で、このうち201店舗の「生麺専門鎌倉パスタ」と291店舗の「サンマルクカフェ」が主力ブランドとなっている。同社の特徴・強みとしては、できたて・焼き立てのおいしさを届ける「店内調理へのこだわり」や、直営店を基本として従業員と同社の経営理念を共有していることなどがある。そして2024年11月及び12月に牛かつ市場のリーディングカンパニー2社((株)ゴリップ(以下、牛カツ「京都勝牛」)及び(株)牛かつもと村(以下、「牛かつもと村」)を子会社化し、牛かつ業態に参入した。

2. 2025年3月期中間期は既存店の好調で計画超の大幅増益
2025年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比4.6%増の32,947百万円、営業利益が同92.6%増の1,826百万円、経常利益が同85.3%増の1,980百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同222.6%増の1,672百万円と期初計画を上回る大幅増益で着地した。不採算店舗整理で全体の店舗数は減少したが、売上高が既存店を中心に期初計画を上回ったことに加え、店舗オペレーション効率化効果なども寄与した。既存店売上は同108.8%となり、期初計画(102%程度)を大幅に上回った。人流回復に加え、業態ブラッシュアップやメニュー改定等の各種取組施策の効果によって客数・客単価が想定以上に伸長した。セグメント別に見ると、レストラン事業は売上高が同6.9%増の19,573百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同52.3%増の1,605百万円、喫茶事業は売上高が同1.5%増の13,373百万円、営業利益が同79.1%増の1,221百万円だった。

3. 2025年3月期通期連結業績予想は据え置きだが、M&Aに伴い見直し予定
2025年3月期通期の連結業績予想は、期初計画を据え置いて売上高が前期比0.9%減の64,000百万円、営業利益が同14.5%増の3,000百万円、経常利益が同9.0%増の3,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同116.6%増の2,100百万円としている。なお子会社化した牛カツ「京都勝牛」及び「牛かつもと村」の損益を第4四半期より新規連結するため、同社は売上動向やのれん償却額等を精査したうえで通期連結業績予想を見直す予定としている。(その後、第3四半期決算において売上高を前期比9.2%増の70,500百万円へ上方修正。)参考値として、同社の期初時点での通期予想及び牛かつ業態の直近期の通期実績を単純合算(通期ベース)すると、売上高は78,000百万円程度、営業利益は4,900百万円程度、EBITDAは7,500百万円程度となる。

4. 牛かつ業態を第3のブランドとして育成・拡大。中期経営計画の目標値を見直し予定
同社は2024年5月に2025年3月期~2029年3月期を対象とする中期経営計画を策定し、重点施策は1) 「生麺専門鎌倉パスタ」及び派生業態の継続出店によるパスタ業態のポテンシャル最大化、2) 「サンマルクカフェ」を中心とする運営効率の改善、3) 2027年3月期以降の成長の軸となる第3のブランド確立に向けた投資(M&Aを含む)、としている。3)では牛かつ市場のリーディングカンパニー2社を子会社化した。利益率の高い牛カツ「京都勝牛」及び「牛かつもと村」を、既存の「生麺専門鎌倉パスタ」及び「サンマルクカフェ」に次ぐ第3のブランドとして育成・拡大する方針だ。なお今回のM&Aを踏まえて、進行中の中期経営計画の目標値(売上高、営業利益)及びキャピタルアロケーションを見直す予定としている。

■Key Points
・パスタ業態とカフェ業態が主力。M&Aで牛かつ業態に参入
・2025年3月期中間期は既存店の好調により計画超の大幅増益
・2025年3月期通期連結業績は予想を据え置いたが、M&Aに伴い見直し予定
・牛かつ業態を第3のブランドとして育成・拡大。中期経営計画の目標値を見直し予定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

<HN>

fisco

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。