外部要因として、グローバルでドル高見通しが進んだことで人民元売り圧力が高まったといった面もある。
人民元過剰・ドル不足といった需給環境の中で、為替レートの自由化を進めている中国人民銀行は市場を通じての介入を余儀なくされ、外貨準備高は減少を続けていた。
しかし、そうした状況が2月末以降、転換した可能性がある。その最大の要因は、中国経済への信頼が高まりつつあることだ。
国務院発展研究センターの李偉主任は3月12日、両会部長交流会において、以下のように説明している(上海証券報)。
「国際的な観点から見れば、中長期金利が上昇する中で、ドル高ショックの波は弱まっており、バルク商品価格は安定しており、製造業PMIは回復基調が続いている。
国内を見ると、経済成長率は緩やかに減速する中で安定しており、構造調整は加速、企業効率は明らかに改善している。就業情勢は年々予想以上に好転しており、PPI(生産者物価指数)は8か月連続で上昇、今年1、2月の輸出入総額は大幅に増加している。これらはいずれも中国経済が質、効率面でゆっくりと改善していることを示している。
こうした新しい変化が起きているため、中国経済が大幅に下落するリスクは基本的に無くなったと我々は考えている。中国経済はL字型景気における“縦”の部分を通り過ぎ“横”の部分に差し掛かっている可能性がある」