*15:01JST 不二精機 Research Memo(1):2025年12月期は増収及び2ケタの経常増益を見込む
■要約
不二精機<6400>は、1965年に大阪市生野区で精密プラスチック金型の製造及び販売を目的に設立した企業である。以来、プラスチック成形用精密金型の製造技術を基盤として、精密成形品その他事業も開始し、射出成形用精密金型及び成形システム事業と精密成形品その他事業の2事業で事業展開している。
同社は、高度な金型設計ノウハウと加工技術を有し、1) ハイサイクル、2) 多数個取り、3) 不良率・バラツキの極小化、4) 長寿命を特徴とした、高付加価値な精密金型製造を行っている。また精密成形品その他事業では、精密金型の競争力を活用し、参入障壁の高い自動車関連部品分野を中心に事業展開を行っている。
1. 2024年12月期の業績概要※
2024年12月期の連結業績は売上高8,251百万円(前期比0.1%減)、営業利益404百万円(同4.7%減)、経常利益328百万円(同17.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益139百万円(同40.2%減)となった。事業別では、射出成形用精密金型及び成形システム事業は売上高2,575百万円(同12.5%減)、営業利益79百万円(同64.6%減)と低迷した。精密成形品その他事業は、売上高5,676百万円(同6.7%増)、営業利益343百万円(同68.0%増)と自動車向けの好調により増益となった。全体として売上げの伸び悩みや円安もあり売上総利益率が若干向上したものの、EV向けなどの開発本格化、人件費増などで販管費が増加する等、利益が伸び悩む結果となった。
※ 業績概要中の事業別営業利益には、セグメント内取引を含む。
2. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期の連結業績は、売上高8,819百万円(前期比6.9%増)、営業利益405百万円(同0.0%増)、経常利益367百万円(同11.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益226百万円(同62.3%増)を見込んでいる。精密金型は医療用を中心に日本に加え中国で大幅増収を目指す。一方、精密成形品は東南アジアで自動車用の伸び悩みで減収を見込み、同部門全体でも減収を見込む。営業利益面では材料費の高止まり、円安効果の剥落から売上総利益率が若干低下、販管費比率は人件費などのコスト増から横ばいを想定し、営業利益も横ばいを見込んでいる。
■Key Points
・2024年12月期は、売上高はほぼ横ばいで減益
・2025年12月期は増収及び2ケタの経常増益を見込む
・医療用精密金型の受注に注力し、収益拡大を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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