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【注目トピックス 日本株】アルプス技研 Research Memo(5):稼働人数の拡大のほか、契約単価の向上が業績の伸びをけん引(2)

*11:05JST アルプス技研 Research Memo(5):稼働人数の拡大のほか、契約単価の向上が業績の伸びをけん引(2)
■アルプス技研<4641>の業績推移

2. 2024年12月期業績の概要
2024年12月期の連結業績は、売上高が前期比7.9%増の49,858百万円、営業利益が同3.6%増の5,159百万円、経常利益が同5.1%増の5,313百万円、親会社株主に帰属する当期純利益(以下、最終利益)は同0.5%減の3,677百万円と増収及び営業増益と、3期連続で過去最高業績(最終利益を除く)を更新した。期初計画に対してもおおむね想定どおりの着地となった。

半導体関連や次世代車の開発が激化する自動車業界などを中心に、競争優位に向けた研究開発投資が継続しており、稼働人数の拡大(高稼働率の維持)と契約単価の向上による「アウトソーシングサービス事業」の伸びが増収に寄与した。また、「グローバル事業」についても人材不足に伴う旺盛な需要の取り込みにより好調を維持した。さらに、新たに追加された「その他」については、サービス付き高齢者向け住宅事業が小規模ながら売上高の上乗せ要因となっている。

利益面では、処遇改善※1に伴う売上原価の増加や新規事業への先行費用のほか、「グローバル事業」において前期完工した好採算大型案件の反動減が利益を押し下げる要因となったものの、増収によりカバーし営業増益を確保した。営業利益率も10.3%(前期は10.8%)と10%超える水準を維持することができた。なお、最終利益が減益となったのは、有価証券売却益の減少とのれん等に対する減損計上※2が理由である。

※1 人的資本投資の一環として6.2%増の賃上げを実施した。
※2 主に先行費用の段階にあるアルプスケアハート(介護関連事業)に係るものである。弊社ではあくまでも保守的な判断に基づく会計上の処理として捉えている。

財務面では、現金及び預金の増加と「たんぽぽ四季の森」の連結化等により総資産が前期末比12.2%増の28,077百万円に拡大した。一方、自己資本も内部留保の積み増しにより同11.1%増の18,691百万円に拡大したが、自己資本比率は66.6%(前期末は67.2%)に若干低下した。

(1) アウトソーシングサービス事業
売上高は前期比7.2%増の45,754百万円、セグメント利益は同7.3%増の4,882百万円となった。技術社員数の増加と高稼働率の維持により稼働人数が拡大したことや、契約単価の向上により同社単体業績が順調に伸長した。

重視する業績指標(単体)である技術社員数は4,564名(前期末比48名増)、稼働人数は4,435名(同38名増)に拡大した。通期平均の稼働率は新卒採用者(217名)を含めて96.7%(前期は96.1%)を確保し、ほぼフル稼働の状態を維持している。1人当たりの契約単価についても賃上げ機運に伴う追い風や市場評価を高める取り組み※が奏功し4,368円(同185円増)に大きく増加した。一方、稼働工数については働き方改革の流れに伴う残業減少により161.4時間(同1.1時間減)に減少した。

※ 各々のキャリアプランに基づく能力開発プログラムや計画的なローテーション。

グループ各社についても、アルプスビジネスサービスが堅調に推移したほか、デジタル・スパイスが航空宇宙関連の受注増により大きく拡大した。また、新規事業については、農業関連分野を手掛けるアルプスアグリキャリアが着々と実績を積み上げるとともに、訪問介護サービスを展開しているアルプスケアハートも神奈川県を中心とした事務所増設により、まだ小規模ながら着実な伸びを実現した。

利益面では、処遇改善に伴う原価増に加え、新規事業(農業及び介護関連分野)への先行費用が続いているものの、増収による収益の底上げで増益を確保することができた。セグメント利益率も10.7%(前期も10.7%)と高い水準を維持した。

(2) グローバル事業
売上高は前期比13.9%増の4,017百万円、セグメント利益は同20.6%減の342百万円となった。海外(特に台湾)でも人材不足による良好な受注環境を追い風に大幅な増収を実現した。一方、利益面では前期完工した好採算大型案件の反動減により減益となり、セグメント利益率は8.5%(前期は12.2%)に低下したが想定内である。

(3) その他
売上高は87百万円、セグメント損失は68百万円となった。2024年1月4日に連結化したサービス付き高齢者向け住宅「たんぽぽ四季の森」が業績に寄与したものの、2024年5月27日にオープンした未来型賃貸住宅「ふれあいの杜 さがみ湖」への先行費用によりセグメント損失を計上した。

3. 2024年12月期の総括
2024年12月期を総括すると、良好な受注環境が続くなかで、半導体関連や次世代車向けなどの成長分野の需要をしっかりと取り込み、業績の伸びにつなげたことは、同社戦略が順調に進展していることの証左と言える。特に処遇改善や新規事業への先行費用等をまかないながら、高い収益性を確保している点は評価すべきポイントだ。また、将来に向けた活動面でも、サービス付き高齢者向け住宅事業の立ち上げや航空宇宙分野の受注拡大などで目立った成果を上げることができ、2028年のありたい姿が着々と形になってきた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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