*16:36JST 米中貿易戦争激化への懸念から一時31000円割れ【クロージング】
7日の日経平均は大幅に続落。2644.00円安の31136.58円(出来高概算36億6000万株)と終値では昨年8月5日以来約8カ月ぶりに32000円台を割り込んで取引を終えた。下げ幅は今年最大。米中貿易摩擦の激化など米国による関税発動が世界的な貿易紛争につながるのではないかとの不安心理が増幅し、リスク回避の動きが強まった。日経平均は33000円台前半で始まると、程なくして30792.74円まで下押し、取引時間中としては、2023年10月31日以来約1年5カ月ぶりに31000円台を割り込む場面もあった。急ピッチの下げに対する押し目を拾う動きが見られたものの、今夜の米国市場の下げが警戒されるなか、大引けにかけては再び売り圧力が強まった。
東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄数が1600を超える全面安商状だった。セクターでは33業種すべてが下落し、非鉄金属、保険、証券商品先物、銀行、電気機器の下げが際立った。指数インパクトの大きいところでは、値上がり銘柄はなく、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、ソフトバンクG<9984>が大幅に下落し、この4銘柄で日経平均を約777円押し下げた。
前週末の米国市場は、トランプ大統領の発表した相互関税に対して、中国が報復措置を発表したことで、世界的な貿易戦争が激化することへの懸念が市場心理を悪化させた。米国の主要株価指は軒並み5%を超える下落となった。東京市場も売り優勢の展開となり、日経平均の下げ幅は一時3000円に迫る場面があった。その後は、突っ込み警戒感から値ごろ感からの買いなどに下げ幅をやや縮める場面はあったものの、連日の大幅安によって需給状況は悪化。信用取引の買い方には追加証拠金が発生しており、損失を確定するための売りなどが今後膨らむ可能性がある。
日経平均は一時節目の31000円台を割り込む場面があったが、そろそろ下げ止まりポイントが近いのではないかとの声も聞かれ始めている。一方、9日に発動される米国の相互関税を前に、米国と各国の交渉の行方を見極めたいとする向きも多く、交渉により関税率が引き下がれば貿易戦争激化への懸念も解消されるきっかけになるだけに、交渉状況に関する報道には引き続き注意が必要だろう。
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