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【注目トピックス 日本株】オーケストラ Research Memo(1):2025年12月期は大幅増収増益予想で再成長ステージに向かう

*14:01JST オーケストラ Research Memo(1):2025年12月期は大幅増収増益予想で再成長ステージに向かう
■要約

Orchestra Holdings<6533>は、企業のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)やデジタルマーケティング(以下、DM)を支援するテクノロジー企業集団の持株会社である。DX事業とDM事業のシナジー創出により、マーケティングDX領域のリーディングカンパニーを目指している。

1. DX事業とDM事業が主力、新規事業も育成
同社はM&Aを積極活用し、成長分野であるDX事業とDM事業を主力に、その他事業として新規事業及び投資事業も展開している。DX事業はSharing Innovations<4178>のシステムインテグレーション、(株)ヴェスのソフトウェアテストサービス、DM事業は(株)デジタルアイデンティティの顧客企業のマーケティングDXに関するトータルソリューションを主力としている。さらにスキルマネジメントシステムやゲーム企画・開発・運営などの新規事業を育成するとともに、ベンチャービジネスをサポートする投資事業も展開している。

2. 2024年12月期は一過性費用が発生するも増収効果でEBITDA増益
2024年12月期の連結業績は売上高が2023年12月期比15.9%増の14,036百万円、営業利益が同4.7%増の801百万円、経常利益が同0.9%増の783百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同30.0%減の331百万円、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費+株式報酬費用)が同9.4%増の1,326百万円だった。各利益は一過性費用となるM&A関連費用の発生等で計画を下回ったが、売上高がM&A効果も寄与しておおむね計画水準で着地し、営業増益・EBITDA増益となった。増収効果で人件費等の増加を吸収し、DX事業の収益性向上も寄与した。

3. 2025年12月期は大幅増収増益予想で再成長ステージに向かう
2025年12月期の連結業績予想は、売上高が2024年12月期比17.5%増の16,500百万円、営業利益が同18.6%増の950百万円、経常利益が同14.8%増の900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同20.6%増の400百万円、EBITDAが同16.9%増の1,550百万円としている。一定のM&A関連費用及びIFRS(国際財務報告基準)採用検討に係るコンサルティング報酬費用を一過性費用影響として織り込んでいるが、DX事業のPMI進展、M&A効果、グループシナジー向上などにより大幅増収増益予想としている。需要が高水準に推移することなども勘案すれば好業績が期待できると弊社では考えている。

4. M&Aを活用して「創造の連鎖」拡大を目指す
同社は、M&Aの活用によって既存事業の拡大スピードを加速させると同時に、成長性・収益性の高い新規事業領域へ投資することで「創造の連鎖」拡大を目指すことを基本方針としている。中長期的な目標としては、主要2事業(DX事業とDM事業)のオーガニック成長、M&Aの活用、新規事業の貢献により、2028年にEBITDA50億円、2033年にEBITDA150億円の達成を目指す。DM事業は強みとする運用型広告を中心に市場成長を着実に捉える。DX事業はAIを活用した新サービスの開発・提供も推進し、急成長市場でのプレゼンスを拡大して第2の収益の柱とする。グループ基盤を活用して各事業間のシナジーを創出することにより、高成長×高収益な事業モデル構築を推進する。

5. 再成長ステージに入った可能性に注目
同社はDXやDMといった成長市場にフォーカスして事業展開しており、M&Aによるグループシナジーを勘案すれば中長期成長ポテンシャルが大きいと弊社では評価している。直近の業績は一過性要因も影響して停滞感が見られたものの、2025年12月期は大幅増収増益予想としている。子会社におけるPMI進展、高単価・高利益率案件への戦略的シフトなどの成果も期待され、グループシナジーにより再成長ステージに入った可能性が高いと弊社では注目している。

■Key Points
・企業のDMやDXを支援するテクノロジー企業集団
・2024年12月期は一過性費用が発生するも増収・EBITDA増益
・2025年12月期は大幅増収増益予想で再成長ステージに向かう
・M&Aを活用して「創造の連鎖」拡大を目指す。再成長ステージに入った可能性に注目

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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