*07:39JST NYの視点:FRBの独立性に懐疑的見方広がる、米資産市場のリスクに
トランプ米大統領はソーシャルメディア投稿でパウエル議長の対応が常に遅れ、政治的に動いており、その仕事に満足していないと非難した。パウエルFRB議長は16日の講演で、関税でFRBの目標達成が遅れ、インフレ長期化の可能性を示唆し、利下げに慎重な姿勢を見せた。一方で、欧州中央銀行(ECB)はディスインフレが軌道上にある一方で、関税による景気悪化への対処で7回目の利下げを決定した。
ウォールストリートジャーナル紙によると、トランプ大統領は数カ月、非公式に議長解任を協議してきたという。次期FRB議長として指名するとみられている元FRB理事のケビン・ウォーシュ氏に起用する可能性について打診。これに対し、同氏は議長の任期全うさせるべきだと大統領を説得したと報じられた。また、ベッセント財務長官も度々、FRBの独立性が不可欠だとの考えを示しているほか、議長の解任は「悪いアイディアだ」と反対したと報じられている。
ホワイトハウス関係者によると、投稿がトランプ大統領は解任を脅かす意図はなく、不満を表明しただけと説明。
パウエル議長の任期はあと1年あまり。実際に解任した場合、裁判などが絡むことを考えると任期全うするまで、現職を維持させるほうが、理に適うとの見解が大半となっている。FRBの独立性が失われることは米国資産への信頼失墜にもつながるため、行方に注目が集まる。
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