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ビジネス
トランプ株高バブルがやって来る

トランプ関税ショックで“沈む企業・持ち堪える企業” 自動車・海運・金融に悪影響の一方で防衛・セキュリティ関連に恩恵、商社や製薬は企業によって明暗分かれる

逆風下でもしぶとく稼げる企業とは

 一方、「逆風下でもしぶとく稼げる企業も存在する」とマーケットバンク代表の岡山憲史氏は言う。

「トランプ政権が関税交渉の見返りとして日本に防衛予算拡大を求める公算が高く、三菱重工業やIHI、NEC、富士通といった防衛・セキュリティ関連は恩恵を受けるでしょう。製造業の国内回帰を求める米国では電力消費量の増加が欠かせず、受注の可能性がある日本の電力や原発関連には追い風。さらに、関税の影響を受けにくい小売りや食品業界といった内需系のなかでもとりわけ“値上げしても売れるブランド力”などを持つ企業は耐性があるはずです」

 関税はモノにはかかるが、ソフトウェアなどにはかからないため「ITやAIのソフトウェア関連も需要は高水準で続く」と岡山氏は付け加える。

 業界内で明暗が分かれるケースも想定される。「三菱商事や住友商事といった資源に強い商社は商品価格上昇の恩恵を受ける一方、双日や伊藤忠商事といった非資源系の商社は調達先や販路における関税リスクが高まります」(岡山氏)

 トランプ政権は医薬品への関税も検討しているとされるが、「米国売上高比率が高いアステラス製薬やエーザイなどにとっては懸念材料となる一方、米国売上高比率がゼロの参天製薬はほぼ影響がないでしょう」と田代氏は解説する。

 もっとも、この状況はトランプ氏がもたらす“新たなステージ”の始まりという見方もある。トランプ氏はいずれは関税戦争を集結させ、世界を“トランプ・バブル”へ誘導する道を開こうとしているとの見方もあるなか、具体的にどのような銘柄に上昇が期待されるのか。関連記事《【トランプ・ショックからトランプ・バブルへ】シゲルさん他6人の“億り人”が厳選「今こそ仕込み時の注目銘柄」25》では、資産20億円超のシゲルさん他6人の“億り人”が厳選した「今こそ仕込み時の注目銘柄」を紹介している。

※週刊ポスト2025年5月2日号

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